RA.516 Oskar Offermann

  • Published
    18 Apr 2016
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    184 MB
  • Length
    01:02:22
  • ディープ・ハウスの名手によるスペーシーなダンスフロア・サウンド
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  • Oskar Offermannは現行ディープ・ハウスの重要人物である。このドイツ人プロデューサーの豊かでグルーヴィーなトラックは機能的かつカラフルであり、DJからもカジュアル・リスナーからも支持を集める。フランクフルト出身、ベルリン在住の彼は2008年に処女作を発表しデビューした。同作は同じくフランクフルト出身のEdwardとのコラボが最初に形になったものであり、その後も盟友Edwardとのコラボは続く。彼らはともに制作やDJギグをすることが多く、Robert JohnsonやキエフのCloserといったクラブで一緒にレジデントDJをやっている。ソロ・アーティストとして、Offermannは2枚のアルバムを発表しており(2012年の『Do Pilots Still Dream Of Flying?』と2015年の『Le Grand To Do』)、Aim、Mule Musiq、そして自分のレーベルWHITEからシングルをリリースしており、高い評価を集めている。 編集なしで制作したという、今回のOffermannのRAポッドキャストには色彩豊かな世界が展開している。彼のこれまでの作品と同様に、繊細なサウンドが組み合わさったコラージュをしっかりとしたグルーヴが支えており、温かいと同時に別世界的な、精神と心両方に訴えかける音楽世界になっている。 近況報告をお願いします 最近自宅にあったスタジオを、工業地帯にある建物に移したんだ。これまでみたいにパンツ一丁でバスドラムのチューニングをするようなことはなくなって、良いことだと思うね。いや、むしろそれは今後もやるかも。 ミックスの制作環境を教えてください syncボタンを押して、あとは自動的に作成されるのを待った。そのあと、1ヶ月ぐらいかけていじって、実際にライブテイクでミックスを録ったかのように間違えを加えていったんだ。ハハ。いや、実際には通して録音することしかできないから、何回かテイクを録ったんだ。クラブ環境の生な感じを取り入れようと、ベトナムのThe Observatoryというクラブでまず録ってみたんだが、結局選曲に満足いってなくてボツにしたんだ。それに、観客が目の前にいなくちゃ、結局クラブでやっても意味ないんだ。それで選曲をかえて家にある故障中のAllen&Heathミキサーを使ってやろうとしたんだけど、始めてすぐに選曲を変えてしまった。そして出来上がったものをそのまま残すことにしたんだ。完璧じゃないけど、全て計算通りじゃないからこそある勢いというものが感じられると思ったんだ。 ミックスのコンセプトを教えてください 最初に考えていたのは、大好きなクラブに遊びにいくときの楽しさを表現したものだった。ソファに座ってアコギを弾くところから始まって、Club Der Visionäreみたいなちっちゃなクラブへと移動して、それからRobert Johnsonのような中型のクラブ、そしてPanorama Barのような大型のハコ、そして最終的には夜のフェス。クラブだけじゃなくて、夜のフェスが大好きなんだ。 去年、キエフ(ウクライナの首都)でCloserの友人たちと面白い体験をしたんだ。16時間DJしたあと、彼らは大きなバスを借りて、オデッサのそばのフェスに移動した。そして俺は黒海のビーチで日の出までDJしたんだ。去年で最も印象深いギグのひとつなんだ。今年の夏に全くおなじことをする予定みたいだから、待ち遠しいよ。 あなたはレーベルWHITEをもう10年近く運営しています。今後はどういった展開を計画していますか? 実は今年レーベルの運営を停止するんだ。あとひとつ、メインアーティストの楽曲を集めたコンピレーションを出すだけだ。これは、ファンやこれまでコラボレーションさせてもらったアーティストたちへの「ありがとう」のメッセージなんだ。沢山の人に、俺の決断は間違っていると言われたよ。しかし良いレーベルが段々衰退していって、最終的に無残な死を遂げるのを見ているのが凄く嫌いなんだ。あと、新しいアイディアやビジョンのある若手のレーベルの成長の邪魔にはなりたくなかった。若い世代に興味を持っている人たちがいることはとても重要なことであり、先輩は彼らをサポートしてアドバイスするべきなんだ。そしてそうやって手を差し伸べることには多大な見返りがある。たいてい、音楽を新しく生まれ変わらせるのは彼らなんだ。 フランクフルトのシーンでまさに同じことがおきたんだ。HardworksoftdrinkやTrafficといったレーベルの子たちととても仲良くなった。彼らと長いこと一緒にいて、音楽に対する考え方が変わったんだ。ハウス・ミュージックが退屈に感じていた時期に起こったことだから、とてつもないインスピレーションをもらった重要な機会だった。大金の臭いがしたとたん、アンダーグラウンドの人たちがどんどん飛びついていったポップでトランスっぽいヴォーカルものが嫌いでしょうがなかった。もちろんポップ・ミュージックは基本好きだし、俺のミックスでもちょっとポップなトランスっぽいヴォーカル曲があると言える。しかし質の良いものと品格のないものの差はある。そして俺の親しい友人や、憧れの存在がどんどん罠にハマってしまうのをこれまで何回も見てきたんだ。 皆、好きな音楽をやればいいし、聞けばいい。それが音楽の素晴らしいところだ。だから他人が何を好もうが、俺にどうこう言う権利はない。ただ、もっとクオリティーの高いものを厳選すると思っていた人たちがそういったトレンドに影響されているのを見るのは悲しかった。もしかしたら、だから最近は若い世代と遊ぶほうが好きなのかもしれない。彼らのほうが良い刺激になるんだ。 今後はHardworksoftdrinkからリリースする予定だし、ビジネス側のことは若い子たちに任せて俺はアーティストとして活動することに専念しようと思っているんだ。あと「レーベル主宰者」として決断をしたりする立場にいることがあまりしっくり来ていなかった。どの作品を出すかとか、どのアーティストをプッシュするかとか。アーティスト側の気持ちが凄く良くわかるから、否定するようなことはしたくなかったんだ。俺はポジティブな人でいたんだ。ありがたい人生を授かっていて、ポジティブなものを人々に返したい。一回俺のDJを聴いてくれれば、言ってることは解ると思うよ。 Edwardとはどうやって知り合ったのですか? お互いフランクフルト出身で、15年前にベルリンに引っ越してとても仲良くなった。同じ音楽惑星に到着するまで数年かかったけど、音楽はコミュニケーションのひとつだし、最初の数年は相手が好きそうな曲を見つけてきたりするのが楽しかったね。お互い音楽好きだから。最近は、スケジュールが合わないことが多いし、お互いソロの活動も重視したかったから、毎回一緒にDJしているわけではないんだ。今では、お互いの週末がどうだったから報告するために一緒に朝食を食べる仲になっているよ。もちろん、Robert Johnson、CloserやHinterhofといったクラブでのレジデントはふたりでやっていて、今後もふたりでやっていきたい。ふたりでいることがとても楽しいから、こういうギグはとても大切にしているね。 今後の予定は? 俺のアルバムのリミックス・レコードが出るんだ。Metamatics、Osunlade、Edward、Bodin & Jacobのリミックスが収録される。そしてHardworksoftdrinkから12インチがあって、Riminiからもレコードをもうすぐ出したいと考えている。あとスタジオ設備を一からやり直すつもりなんだけど、それは正直やりたくないことなんだ。あとは毎年好例の俺の誕生日パーティー、Der Gipfel Der Gönnungが5月28日に開催される。友人たちと一晩中プレイして、ハングアウトする予定だから楽しみだ。