• Published
    May 11, 2015
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    127 MB
  • Length
    00:55:30
  • 捻りの効いた崇高なライブ・テクノ
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  • Vrilはシンプルかつパワフルにメッセージを伝えるテクノ・アーティストである。ハノーファー拠点の彼が2010年を皮切りにこれまでリリースしてきた作品群には大きなスタイルの変化は見受けられないかもしれないが、Basic Channelのダブテクノを雛形としたディープでループ主体のテクノ・サウンドを彼は徐々に磨きあげてきた。作品の大半はRAで2014年のベストレーベルに選ばれたドイツのGieglingからのリリースであり、これまで複数の12インチに加え、アンビエント、エレクトロ、ダウンテンポといったサウンドへと音楽性を拡大させた去年のアルバム『Torus』などが同レーベルから発表された。今年の頭には、Vrilはより直球でクラブ・フォーカスなフルアルバム『Portal』(「正しいタイミングで、正しいかけ方をすれば、これは燃える石炭の上で踊っている程にスリリングで熱く、危険な音楽になる」とPaul Clarkeがレビューで評価している)を、オランダの人気レーベルDelsinからリリースした。その他にも、スペイン屈指のレーベルSemanticaが彼の作品をリリースし、ベルリンのトップ・パーティー/クルー/レーベル、Dystopianが彼のトラック"Tannhauser Gate"をコンピレーション、『Soliloquy』に収録し、Marcel Dettmannが2枚のミックスCDにVrilの曲を入れ、『fabric 77』の締めに"Torus XXXII"を選ぶなど、 Vrilは各方面から強力なサポートを受けてきた。 Vrilのライブ・パフォーマンスはここ最近、高い評価を集めている。1年前と比べても彼はとても忙しくなっており、驚く程の数の国でギグがあり、今週は初となるUSツアーでマイアミ、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィアを巡る。今回のRAポッドキャストもVrilのライブ音源となるが、ほぼ新曲や未発表で構成された、普段のライブセットとは異なるホームリスニング用のセットをわざわざ組んでくれた。 近況報告をお願いします あちこち行っていて、睡眠もとれていないが、ライブに来てくれる人々のおかげで最高に元気だ。みんな、ありがとう! ミックスの制作環境を教えてください Vrilステーションという酷い場所で。 ミックスのコンセプトについて教えてください ミックスには1曲だけリリースされた曲があるが、それ以外は全て新曲と未発表曲だ。頭の中の彼方から持って来たものさ。それをKammerton 432Hzでチューニングし、ミックスし、更に、今でもインスピレーションを受けている古いテクノ・アーティストの曲のループをいくつかオーバーダブで混ぜたんだ。このポッドキャストは普段のライブよりも穏やかで、最近のライブセットとは全く異なったものになった。 ライブセットについて教えてください。どういった機材を用いて、どういうアプローチをとっていますか? 発表した曲や未発表曲の、アナログ録音したループを8トラックでアレンジして、変化させて、ミックスする。そしてアナログのドラムマシン、ダブやエフェクトを乗せるんだ。 今後の予定は? 自分でレーベル/サブレーベルを始める。死ぬまでライブをやる。そしてもちろん、Giegling、DystopianとDelsinから今後も良い作品を出すつもりだ。
RA