RA.462 Job Jobse

  • Published
    6 Apr 2015
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    171 MB
  • Length
    01:14:22
  • オランダの気鋭DJがもたらすトランス状態
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  • 2014年のトップDJリストにJob Jobseの名前があったことに驚いた人もいたかもしれないが、彼のプレイをここ最近聴いた人であれば納得がいっただろう。Jobseは惜しくも閉店してしまったアムステルダムの人気クラブ、TrouwのレジデントDJとして着実に人気を集めてきた人物。同クラブの前身であるClub 11では常連であったが、Trouwが2009年にオープンした際の最初のイベントは彼のパーティーDrukpersであった。その5年後、同クラブの最後のイベントのクローズ・セットをプレイしたのも彼であった。以下で語っているとおり、それは彼にとって「この上なく光栄なことだった」ようだ。Trouwがヨーロッパのベストクラブのひとつとして高い評価を得るようになったのは彼のような存在がいたからだ。ハウス、テクノ、ディスコ、イタロを混ぜ、メロディーに重点を置いた彼のDJセットはTrouwの数々のパーティーを彩り、同クラブのブッキングも担当しここで流れる幅広い音楽の方向性を定めるのを手伝った。そして、彼は最近までLife And Deathのレーベルマネージャーを務めていた。このレーベルはInnervisionsと共に、Jobse本人が“トランス”と呼ぶスタイルのダンスミュージックを広めている。最近公開した2015年の予想特集では、このスタイルはアンダーグラウンド・クラブミュージックを独占する勢力に成長したと言ったが、彼の海外ギグのスケジュールがどんどん忙しくなっているところを見ると、Jobseはこのムーヴメントのキーマンだと見て間違いなさそうだ。 そしてその理由はRA.462で明らかになる。以下で説明しているとおり、このミックスの方向性が定まるまで何度もトライしたようだが、その甲斐もあり完成したものは、彼がどういったDJなのかを象徴するタイムレスな内容になっている。 近況報告をお願いします 今年は沢山海外を回っているよ。今の所ギグはどこも良くて、海外に行くのが楽しくてしょうがないんだ。最近で良かったのは、メキシコでのツアー、オースティンのSXSWフェスでのギグ、そしてPanorama Barでの日曜日8時間クローズ・セット。この時はAge Of LoveからBruce Springsteenの"I'm on Fire"まで何でもかけることができた。 アムステルダムに住んでいるんだが、最近はよくライプチヒに行っているんだ。恋人がいるからね。とても良い雰囲気の街で、ゆったりとしていて良い所だ。シーンも素晴らしい。最近オープンしたInstitut Fuer Zukunftは今のヨーロッパのベストクラブのひとつであることは間違い無い。 あと、初めて関わることができたアナログリリースがあるんだ。プロデュースをしたわけではないんだが、ケルンの2人のアーティスト(BarntとDavid Hasert)のトラックをマッシュアップしたもので、"Cologne Megamix"という単純なタイトルがついている。『Trouw Tribute LP』というコンピレーションに入っているんだが、このクラブに関するライナーノーツや写真、アートワークが入ったブックレット付きだ。とても良い作品になっているし、おそらくしばらくは俺にとっての唯一の“リリース”だろうから、こんなにも良い形でリリースされて嬉しい。 ミックスの制作環境を教えてください タンテでやった部分もあれば、パソコン上で作った部分もある。大部分はアムステルダムかライプチヒのどちらかでやったんだが、移動中にやった部分もある。最終的な仕上げはアムステルダムで、とある夜に沢山クッキーを食べて牛乳を飲みながら仕上げたんだ。 ミックスのコンセプトについて教えてください とても時間のかかったミックスだった。数週間かけて、3回ミックスを録ったんだ。まず最初に、親しいプロデューサーやレーベルからもらったエクスクルーシヴな未発表曲のみでミックスを作ったんだ。クールなRAポッドキャストにするには、こういうことをしなくてはいけないんだと思ったんだ。でも最終的にはあまり満足のいくものにならなかった。良いミックスを作ろうというよりは、ただ新曲を紹介(自慢)することが目的なミックスになっていたんだ。その次に作ってみたミックスは結構満足したんだが、内容はとてもダークだった。出来上がったミックスを、自転車に乗って晴れた日のアムステルダムを走りながら聴いてみたら、あまり良く無いと思い始めたんだ。暗い部屋で、とても悲しい気分のときにでも聴かないと意味のないミックスだと思ったんだ。 それで三回目に挑んだときは、とにかく大好きな曲を繋げて、美しい、色褪せないミックスを作ることにしたんだ(使った曲の中には、最初にレコードを買い始めたときに手に入れた思い入れ深い曲もある)。とても古い曲もあれば、新曲もある。ダークな部分もあるけど、全体的には明るいものになったね。今から何年後かに聞き返しても、「これが俺が好きな音楽、俺が胸を張って誇れる音楽だ」って言えるミックスであれば嬉しい。そういうものになったとは思ってる。 Trouwのクロージング・パーティーはいかがでしたか?楽しいのと同時に、悲しい経験だったのだろうと想像しますが これまでの人生で一番良いパーティーだった。本気さ。凄いラインナップが揃って、いつも来てくれる常連客が沢山来てくれたけど、それだけじゃなくてこの建物を最大限に活かした使い方ができたんだ。メインルームと、De Verdieping、そしてNatte Cel(新聞社の従業員が昔使っていた更衣室であった部屋を利用した、シークレットのサードフロア)のフロア以外に、トイレの横の廊下に四つ目のフロアがあったんだ。当初はRed Light Radioのレコーディング・スタジオとして使うスペースだったんだが、すぐにダンスフロアと化し、出演の予定がなかったDJたちも、このクラブに敬意を表するためにサプライズでプレイしてくれた。 例えばTraxxは全部で3回プレイしていたが、彼はとにかく延々とプレイしていた。このクラブがこれほど生き生きとしていたのは見ていて嬉しかった。この建物を最初に発見したときから、建物内の全てのスペースを同時に活用することが夢のひとつであり、最後の週末にそれができて良かったよ。 金曜日の夜に皆でレストランで夕食を食べたときに全てが始まり、日曜日の午後にダンスフロアで皆で泣きながら終わったんだ。その間にあった素晴らしい数々の想い出は挙げて行けばキリがないよ。たいていのスタッフやレジデントDJもそうだったが、俺は道をはさんだお向かいのホテルの部屋に泊まっていた。ちょっと抜けて睡眠をとったりしたけど、それ以外ではクロージング・パーティーの3日間、ほぼ建物の中にいたよ。楽しくもあり、悲しくもあったね。Trouwには最初から関わってきた。Drukpersのパーティーがこのクラブの初イベントだった。この場所で俺は多くを学んだんだ。だからこのクラブの最後のイベントのクロージング・セットをプレイできるなんて、この上なく光栄なことだった。ずっと昔から妄想していたけど、本当に実現するなんて思っていもいなかったことだ。今までで一番スペシャルな出来事だったのは間違いないね。Gerd Jansonからバトンタッチした瞬間から、最後のレコードをかけたときまで、現実感がなかったよ。終わったあとの皆の顔を見て、ようやく何が起きたのかが理解できた感じだった。 近年盛り上がりを見せているメロディー重視のハウスの動きにおいてあなたは重要な存在です。このサウンドを求める人が増えている現象をあなたはどう説明しますか? 2000年代前半から半ばの、ミニマルが独占した時代があってから、よりメロディアスなものを求める人は増えたんじゃないかな。InnervisionsやLife And Deathといったレーベルがとても人気なのもそこから来るんだと思う。Dixonが人気になった理由は(彼がDJとして素晴らしく、ダンスミュージック界きっての切れ者であるという点以外では)、ベルリンというミニマルの独壇場だった街で違うサウンドをプッシュして、なおかつ成功することができた最初のひとりだからだと思うんだ。そこからどんどん流れができてきた。 俺はトランスと呼んでいるよ。なぜなら、それが本質だからさ。それに、何らかのトランスの再評価が今起きていると思う。冗談で、自分のことをトランスDJなんて言ったりもする。でも多くの人が実際そうだと思うんだ。偉大なるDJ Harveyが以前、「全ての良いダンスミュージックは聴いた者をトランス状態にする」と言っていた。ある意味、俺の好きなDJは全員トランス・ミュージックをプレイするんだ。それはHarveyであったり、Optimo、John TalabotやJames Holdenであったり。でも別に俺は“トランス”しか聴かないわけではないよ。もともとはほぼディスコとイタロしかプレイしていなくて、そのうちハウスやテクノも混ぜるようになったんだ。 あとこのサウンドの人気の理由のひとつは、今このサウンドにハマっている人の中には、それまであまりエレクトロニック・ミュージックを聴いていなかった人も結構居るという事実じゃないだろうか。少なくとも、Resident Advisorで読むようなエレクトロニック・ミュージックは聴いていなかったような。おそらく俺(そして前述したとあるひと)がたまにかけるようなものは、彼らが元々聴いていたようなものと合致して、そのおかげでより広いオーディエンスに受け入れられているのかもしれない。彼らはある時点で“入って来る”んだ。そしてすぐに好みというものができていって、より細かいシーンに参加していく。俺の周りにも、2年前に初めてInnervisionsのパーティーに行ったと思ったら、今ではL.I.E.S.信者になって出来る限り全てのショーケースに出向いている人がいたりする。そしてエレクトロニック・ミュージックやクラブライフに対する関心が今とても高いから、“入って来る”人の数も多く、InnervisionsやLife And Deathのパーティーも人気になるんだ。 あとドラッグが関わっていることも無視はできないね。“入って来る”人の多くは、同時期にエクスタシーやMDMAに初めて手を出すんだ。こういった薬物をとっている人はトランス的なアプローチを求める。それはダンスミュージックの歴史が証明していることだ。ハウスとテクノからトランスへの進化を見れば一目瞭然さ。 今後の予定は? これまで以上に今年はギグがあるから楽しみだよ。初めて行ける場所が沢山あって、とても恵まれていると感じている。両親はふたりとも飛行機が怖い人だから、子供の頃はフランスの南部まで車で行ったぐらいだったからね。初めて飛行機に乗ったのは数年前、ベルリンでのギグのオファーがあって、初めてオランダ以外でプレイしたときだ。ほぼ毎週末どこか海外に行っているのは今年が初となる。Fuse、fabric、Robert Johnson、Rex、Sub Club、DC10などヨーロッパ各地の素晴らしいクラブでのデビューが控えているのと、カナダ、アメリカや南米でちょっとしたツアーもあるんだ。 それ以外では、もちろんホームでも楽しみなことが沢山ある。オランダでのフェスでしばらく忙しくなりそうだし、アムステルダムで自分のイベントもいくつか企画している。Trouwがクローズしてから、アムステルダムでのギグのオファーは選ぶようにしていて、今の所まだ一回しかクラブギグをプレイしていないんだ。今企画しているのは、ほぼ全てのことを俺がコントロールできるイベントにしたいんだ。小さなクラブで、入場料は安くて、音は良くて、俺がひとり、あるいはゲストと一緒に一晩中プレイするというイベントだ。
  • Tracklist
      Legowelt - Myst [Strange Life Records] Randweg - Comico Pera [Funken] Jump St. Man - Because ('89 Remix) [Garage Trax] Max Berlin - Elle Et Moi (Joakim Remix) [Eighttrack Recordings] John Talabot - La Ninya (Afrodub Version) [Permanent Vacation] Oceanic - Stratta [Nous’klaer Audio] Leafar Legov - Your Vibe [Giegling] Popol Vuh - Aguirre (Tempel Rytmik Edit) [-] John Talabot - Without You (Oskar Offermann Without Her Remix) [K7] Schatrax - Mispent Years [Schatrax] Nami Shimada - Sunshower (Instrumental) [Far East Recording] Marcus Mixx - Without Makeup (Ron Hardy Mix) [Let’s Pet Puppies] Rude 66 - The 1000 Year Storm [Crème Organization] Boddika & Joy Orbison - Severed Seven [SunkLo] DJ Metatron - Rave Child [Traumprinz]