- 色鮮やかなヒップホップとハウス
- DiscogsのLoneのページには、プロフィールの代わりにWarpのアーティスト、Bibioの書いた紹介が載っており、「1小節か2小節聴けば、Loneのトラックだってすぐに解る」と、彼は語っている。この文章が書かれたのは、Matt CutlerがLone名義でファーストアルバム『Lemurian』をリリースした頃だが、彼の言っていたことは現在でもそのまま通用する。一言で言ってしまうと、Cutlerの音楽は当初からアップビートであった。元々、彼はDealmakerやWerk Discsといったレーベルからヒップホップ作品をリリースしていたが、その後、レイヴに影響を受けたハウス・サウンドを打ち出すようになった。リズムは変わったが、彼の鮮やかで色彩豊かなメロディーはブレていない。特に「Once In A While」、「Pineapple Crush」、「Lying In The Reeds」や、去年リリースした「Airglow Fires」といったシングルは、古き良き時代のUKダンス・ミュージックの、太陽光をたっぷり浴びた明るいサウンドを、現代のフィルターに通したものになっていた。常にアンテナを立てているR&S Recordsはすぐに彼に興味を持ち、2012年にCutlerの4枚目のアルバム『Galaxy Garden』をリリースした。そして数日前には、R&Sから新作『Reality Testing』がリリースされたが、同作は、Cutlerの独特なノスタルジア感が漂うハウスとヒップホップの融合作になっていた。
もしニューアルバムを買ったなら(もちろん、そうすることをおススメする)、聴く前に今回のRA.420を聴くべきだ。『Reality Testing』に影響を与えた音楽で構成されており、前半はヒップホップで始まり、後半はテンポが上がり、ハウス・サウンドが繰り広げられている。
まずは近況報告をお願いします
アルバムを完成させてからは、DJギグをこなしたり、Konx-om-Paxとのライブを練っていたよ。
ミックスの制作環境を教えてください
自宅のちっちゃなスタジオで制作したんだ。何回かテイクを録音して何曲も入れたけど、最終的にこの形に落ち着いた。
ミックスのコンセプトについて教えてください
ニューアルバムに影響を与えた音楽をショーケースしたかったんだ。良く聴くヒップホップものを前半に、後半にはここ数年でよく聴いてる、もっとアップビートなハウスものを揃えた。
ダンス・ミュージックとヒップホップ両方を制作しているあなたにお伺いしますが、両シーンの境界線は近年、より曖昧になってきていると感じますか?
ハウスとヒップホップ、というかエレクトロニック・ミュージックとヒップホップには、昔から繋がりはあったと思うんだ。俺はヒップホップの生々しさがあるエレクトロニック・ミュージックに惹かれるね。
アルバムの製作中、マイクをずっとオンにしたままの時もあったとあなたは話していましたが、そうやって録音した音で、アルバムに使用したものはありましたか?
スタジオを掃除している音とか、訳のわからない騒音とかを使ったよ。1曲には、俺が紅茶を淹れている音が入っているんだ。
今後の予定は?
ツアーだね。ライブをしたりDJをしたり。新しいスタジオもセットアップしたいと思ってるんだ。そして、次のアルバムのことを考えたい。
TracklistKenji Kawaii - Unnatural City 2
Tha Alkaholiks - Killin' It
Mobb Deep - Temperature's Rising
Ghetto Concept - Much Love (Instrumental)
Pete Rock feat. Method Man - Half Man, Half Amazin'
Gangstarr feat. Inspektah Deck - Above The Clouds
Klear Soul Forces - Get No Better
Hieroglyphics - You Never Knew
Lone - 2 Is 8
Boards Of Canada - Opening The Mouth
Theo Parrish - Lost Angel
Urban Beat Dance - Urban Dust
Anthony Naples - Tusk
Seven Davis Jr - Celebrations (Funkineven Edit)
Brawther - Spaceman Funk (Deep Club Mix)
Brownstone Express - Metro
Omar S - Set It Out
Jtc - South Brooks
Greg Beato - Pma