- 進化を止めないアーティストが厳選した曲群
- Anders Trentemøllerというデンマークのアーティストは、なかなか面白い音楽的な進化を遂げている。彼は2000年代の半ばごろに登場し、エレクトロ/ミニマルハウスの新進アーティストとして注目を集めた。彼の初期シングル、"Physical Fraction"や"Sunstroke"と比べるとダンスフロアから一歩遠ざかった内容であったが、彼のデビューアルバム、『The Last Resort』はこの時代のサウンドを定義づけた。2006年にリリースされたこの薄暗い雰囲気と精巧な作り込みが魅力的だった作品は、RAのレビューで満点の評価を受けた。当時、Trentemøllerはダンスミュージック・プロデューサーとしてしか認識されていなかったが、その後の彼の音楽性を示唆するような多様性は『The Last Resort』で垣間見ることが出来た。
2008年、Trentemøllerはバンドを従えて『The Last Resort』のツアーを始めた。翌年、彼はSuicide、The Raveonettes、Soft Cellなど、自身が影響を受けた音楽を収録した21曲入りのコンピレーション、『Harbour Boat Trips』をリリース。2010年、生演奏やヴォーカリストを取り入れたセカンドアルバム、『Into The Great Wide Yonder』を発表した。そしてその流れの自然な着地点と言えるサードアルバム、『Lost』が今月発売されたばかりだが、完全にエレクトロニック・ポップの領域に到達したこの作品に付随するプレスリリースには、「カテゴライズに“ファック・ユー”を送るアルバム」であると説明されていた。
Trentemøllerが「お気に入りな曲をいくつか混ぜた」だけだと説明するRA.383は、シンセよりもギターが主導権を握っている楽曲が豊富なミックスになっている。
まずは近況報告をお願いします
最近は、11月のヨーロッパツアーのためのバンドのリハーサルで忙しいんだ。
ミックスの制作環境について教えてください
自宅でラップトップで制作した。
ミックスのコンセプトについて教えてください
お気に入りの曲をいくつか混ぜたかっただけさ。ビートを合わせるというよりは、ピッチの合う曲を選ぶことに集中した。
Depeche Modeのツアーの同行はいかがでしたか?
最高だったね。あんなに大きなスタジアムでプレイするのは凄かったし、DMのメンバーはみんな良い人達なんだ。
『Lost』へのアプローチは過去のアルバムとどのように違ったものになりましたか?
ヴォーカルものが多いという点以外では、過去のアルバムとアプローチの仕方はそんなに変わってないんだ。レビューしたRAの人(ずいぶん平均的なレビューだった)は「必要以上に色々なアイディアを詰め込み過ぎ」だと評していたけどね。俺はそうは思わないね。このアルバムは今までで最も焦点が定まっている作品だと思うし、ディティールに拘ることも、幾重ものレイヤーを重ねて厚みを作ることも好きだ。俺の中では、それは両方大事なことなんだ。
今後の予定は?
旅行をするつもりさ。日本に3週間滞在するよ!
TracklistDorit Chrysler - Avalanche
Dirty Beaches - Elli
Beak - Yattoon
Pinkunoizu - The Great Pacific Garbage Path
White Hills & Gnod - Drop Out
The Warlocks - Shake The Dope Out (remix)
Kid Kongo Powers & Khan - Why Hurt Flesh
Beak - Iron Acton
Soft Moon - Repetition
A Place To Bury Strangers - You Are The One
Tropic Of Cancer - I Feel Nothing
Trentemøller - Piano Piece For Cassette