- ハウス・ミュージックの重鎮
- シーンに対する貢献度を一言で言い表せるようなアーティストは、もうそれだけで十分偉大な存在だろう。シカゴのChez Damierは、Prescription、The Music Institute、KMSといったハウス・ミュージック界の中でも一目置かれる存在に関わってきた人物だ。彼が初めてシーンにおいて注目されたのは、デトロイトのテクノシーンの成長に大きく貢献したクラブThe Music InstituteをAlton MillerとGeorge Bakerと共に設立した80年代後半にまで遡る。同時に彼は名曲“Can You Feel It”や“Untitled”などをリリースしたKevin Saunderson主宰のKMSでレーベル・マネージャーとレコーディング・アーティストを務め、その後故郷シカゴに戻り、ChezはRon Trentと共にレーベルPerceptionを設立する。"Morning Factory"、"Sometimes I Feel Like"、"Be My"をはじめ、1995年まで立て続けにリリースしたトラック群は、ハウス・ミュージック界において最も影響力のある作品のひとつにまでなっている。
音楽性の違い、そしてPrescriptionのサブレーベルBalanceの運営のため2人は活動を別にすることになり、Chezは2009年まで音楽活動を中止していた。ドイツのMojubaとYoreからのリリースを皮切りに活動を再開し、主にヨーロッパの新人を紹介することを目的とした自身のプロジェクトBalance Allianceを始動。2010年には、The Gatheringsとして"In My System"を発表し、彼は才能を失っていないということを世間に知らしめた。
輝かしい、時代を超越したクオリティーがRA.305に存在していることは言うまでもない。これは、20年以上もシーンに携わり、今もなお自分のやっていることを愛し続ける男によるハウス・ミックスなのだ。
最近の活動はどんな感じですか?
結構忙しくて、Groove Distributionと一緒にThe Balance Recordingsのシリーズを手掛けたり、Mojubaのためのアルバムプロジェクトの作業を行なっている。
このミックスの制作環境について教えてください。
CDJ 1000を2台とミキサーを使用した。
このミックスについて、何か特別なアイディアがあれば教えてください。
ダンスフロアーで活動してきて今年で25周年を迎えるんだ。俺の目標は昔から変わっていなくて、新しいサウンドをオーディエンスに紹介しながら、皆が繋がっていくこと、そしてフロアーが愛に包まれることだよ。
5 Chicagoのインタビューで、毎回のDJセットに特定の曲を入れることで新しいクラシックトラックを作ろうとしている、と話されていました。最近だと、どういった作品を入れるのでしょうか?
俺のDJセットを聴いてくれる人は俺のかけるクラシック・アンセムに期待してくれて良いよ。Marko Militanoの"Good People" (Frankie Knuckles unreleased mix) とDerrick CarterがリワークしたSuzy Qの"I Can''t Give You More"。
新しい才能の育成の必要性についてもお話されていましたね。最近ご自身がサポートしている注目のアーティストは誰ですか?
BalanceのアーティストBrawtherと、俺のプロダクション・アシスタントのRoberto Bosco (Wave Music)とDemetrio Giannice (Enterbt Records)。それぞれアルバムリリースが予定されていて、俺もそれに集中しているんだ。
今後の予定は?
Marc Kinchen (MK) とのプロジェクトが始まるのと、これから自分自身を驚かせるような事をしようと考えている所だ。Derrick Carterとのツアーもまた開催されると思うから、それも楽しみだよ。