• Published
    Nov 28, 2011
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    71 MB
  • Length
    01:01:56
  • ハウスをプレイする男
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  • Bart Van Nesteは20年のDJキャリアを持つ男だ。彼のレーベル名を見れば、向かっている方向性が容易く察知できるだろう。We Play Houseは2008年、ベルギー人プロデューサー San Sodaのリリースをきっかけに設立され、シーンを先導するハウス系アーティストを抱えるレーベルへと発展している。この14年間 Bartの地元ダインズで毎週行われているパーティーCluesや、ゲントで月一回開催されるWPHのパーティーを通して知り合ったTyree CooperやReggie Dokesをはじめ、WPHからリリースするアーティストは皆Bartと交流の深い人物ばかりだ。「慎重に物事を進める男」は、レーベル運営のみに留まらず制作にも取りかかり、San Soda とのデュオFCLではヒット曲 "Let's Go"をリリース、最近では Motor City Drum Ensembleと共にVFBを結成し、12インチの『Love Description EP』を Delusions Of Grandeur よりリリースした。 彼のRA podcastは一体どんなものになっているか?もうお分かりだろう。 最近の活動は、どんな感じですか? ここ数ヶ月は、毎週末にギグ、平日はオフィスとスタジオを行き来するといった感じだね。オフィスではレーベル業と著作権関連の仕事をしていて、スタジオでは最近 San Sodaと一緒にFCLの作品に取りかかっている。考えてみると、こういったルーティーンは数ヶ月どころか、ここ数年続いているね。それに、おいしいご飯を食べたり、彼女と時間を過ごしたり、レーベル仲間と一緒にサッカーをしたりしているよ。 このミックスの制作環境を教えてください。 レコードが沢山ある自宅のリビングングルームで。新作となるAudiojackのFCLリミックス以外は全てレコードを使用していて、僕の世界観が表現されているよ。 このミックスについて、なにか特別なアイディアがあれば教えてください。 僕のミックスのメインアイディアは、スタジオであれ現場であれ、人が聴いて踊るための良い音楽をプレイするということ。以前は、1つのジャンルや年代に絞るといったコンセプチュアルなミックスも作っていたんだけど、僕のミックスに共通して言えることは、ライブの時のプレイと全く同じだということ。どこでどんな時にやろうと、僕のDJミックスは100%ワン・テイクなんだ。マイナーEQを除いて、Abletonやエフェクターは使わないし、完璧なプレイリストも作らない。Abletonを使用したものや、きれいに編集されたミックスには音楽的価値が生まれるし、僕自身も聴いていてとても楽しいけど、僕はあれをDJセットとは呼びたくないんだ。音楽を選ぶ事、音の順番を決めること、そしてDJをする事は全く別ものだよ。 WHPではベルギーの才能を発掘することに力を注いでいるあなたですが、レーベル内外でチェックすべきベルギー人アーティストはいますか? 元々WPHを初めた理由は、San Sodaの音楽がきっかけだった。レーベルを走らせてから5年経った今でも、彼はレーベルにとって中心的人物だし、FCLの相棒であり、ソロとしても重要な立ち位置にいるね。San Sodaなしでこのレーベルは存在し得なかった。ベルギー人の才能を発掘するということも、自然に起きた事だよ。僕の知り合いで尊敬しているプロデューサーにフォーカスを絞ったと言ったほうがいいのかもしれない。Reggie Dokes、Dynamodyse、Russ Gabrielなんかはベルギー人じゃないけれど、同じ音楽ファミリーの一員だと思ってる。 有望な若手ベルギー人だと、Lemakuhlar と Metroboxは是非注目してほしいね。WPHと、姉妹レーベル Lany Recordings(僕と友達のベルギー人DJ/プロデューサーMaxim Lanyと一緒に運営)からリリースを行う予定だよ。 ベルギーのニュービートシーン時代から活躍されていましたね。このシーンを知らない人に、まず聴いて欲しいものはなんでしょうか? おもしろいなぁ。先日Julio Baschmoreに同じような質問をされたんだ。JulioがFuseでのプレイを終えた後に、ニュービート系のパーティーに連れて行ったんだ。その時、『ニュービートと言えば、何がおすすめなんだ?』って訊かれたんだよ。他のジャンル同様、ニュービートのルーツも多種多様なサウンドからきている。元々アントワープのDJたちがスタートさせたものを、ヘントのやつらがレコードの回転数(RPM)を色々と変えて実験を繰り返していた。45RPMのニューウェーブものを33RPMの速度にしたりね。そういった経緯を経て、ニュービートの特徴でもある甘ったるいベースと、ヒプノティックなリズムが生まれた。それを今度は、若いアーティストが100〜105BPMの新しいトラックを作り上げていった。AB Soundsのコンピレーションアルバム『New Beat Take』1, 2, 3, 4あたりを聴いてみると、ニューウェーブが一体どんなものなのかが想像つくと思うよ。 今後の予定は? FCLでは、Delusions Of Grandeurから『Matrix Plus』をリリースするよ(ミックスの最後のトラック)。僕とDanilo PlessowとのコラボレーションVFBでは、すでに11月のはじめにリリースされたWPH WhiteのB-sideを手掛けたオールドスクール・ヒーローのOutlanderが加わったんだ。 "Vocals for Everyone"に続くWPH 015が来年の1月のリリースを予定いているし、2020 VisionからEPも出る予定だ。Audiojackのリミックス"Stay Glued"も楽しみだね。 San Sodaは WPH 016の作業を丁度終えたところだ。ギグではベルギーでのいくつかのレジデントに加え、FCLとして年末にニューキャッスルとロンドンへ行き、Panorama Barやその他のクラブにも出演する予定だ。 WPH のウェブサイトも新しく完成したし、ウェブショップや、San Sodaと僕のブログも掲載される予定だよ。
RA