- 現代感覚で聴くヴィンテージIDMとエレクトロ
- Laura Sparrowは、バンクーバーで近年の好調期に出現してきた他のアーティストたちとは常に少し異なっていた。ぼんやりとしたレイドバックなハウスを周囲が好んでいた時、Sparrowはオールドスクール・テクノやIDM、快活なエレクトロに手を伸ばしていた。彼女のプロダクションもまた同様で、「Maligne Range」や「Heliacal Rising」のような初期の作品では、古いIDMとエレクトロのど真ん中にある独特の雰囲気を見つけることができる。その後ヨーロッパに拠点を移したことによるクリエイティビティの爆発もあり、主宰レーベルやWania(DJ SotofettやE-GZRとの共作)からリリースされた最近の一連のリリースでは、彼女のDJのワイルドなリズムと一致してサウンドが拡張されている。
Sparrowは素晴らしいプロデューサーであると同時に、ネクストレベルのDJでもある。プレイを聴いても90年代~00年代初期IDMの研究家でない限り、トラックを判別することは難しいだろう。どの時代のトラックなのかすら、分からないかもしれない。それは彼女がバンクーバーで成長してきたおかげによるところがある。バンクーバーは新しいダンスミュージックよりも昔のエレクトロニックのレコードを見つける方がずっと簡単な街なのだ。そこでSparrowは、そのタイムレスさ故に特定するのが困難な、長く忘れ去られたサウンドにおける名人となった。
彼女のRApodcastは、馴染みのあるアーティストによる、あまりよく知られていないトラックを多くフィーチャーしている。それは例えば2000年のトライバルモードなOliver Hoだったり、1994年にRephlexからリリースされたThomas MelchiorとTim Huttonによるコラボレーション名義Vulvaだったりする。そうしたトラックがSparrow自身の未発表チューンとミックスされることによって、彼女の愛する古いレコードが持つフューチャリズムを引き出す数十年間の対話を作り、また、この時代のダンスミュージックが持つ感情やメロディが強調されている。ノスタルジアを呼び起こす代わりに、忘れ去られたりもはや時代遅れだったりする過去のダンスレコードを現代に作られたレコードと同じくらいエキサイティングで新しく聴こえさせる術をSparrowは知っている。それが、彼女が唯一無二のDJである理由なのだ。
TracklistPlanetary Assault Systems - Mind Your Trip
Common Factor - Exploration/Meaning
Laurent Garnier - At Night
LNS - Unreleased
Luke Slater - Love (Loved) (Radio Mix)
Brian Harden - Biliak
Feedback - Golden
Ceephax - Parallax Dome
Steve Rachmad - A Fabla
LFO - Tied Up (Spiritualized "Electric Mainline Remix")
Jamez- Darklands
LNS & DJ Sotofett - Blot (Techno Mix)
Kaotic Spacial Rhythms - Secret Society
Oliver Ho - Westworld
Dan Curtin - Worlds Of Mystery
Stephen Brown - Silk
Vulva - Cydonia