RA.511 Soichi Terada

  • Published
    Mar 14, 2016
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    138 MB
  • Length
    01:00:04
  • 極東から届くサウンド
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  • 1999年のプレイステーション・ゲーム、『サルゲッチュ』にて主人公カケルは、タイムステーションで旅を始める。様々なステージにアクセスできるハブであるこのエリアは、近未来的なM&Mストアを連想させるが、BGMにはメランコリックなホイッスルや温かいサブ、瞑想的なキーボードのサウンドが魅力的なジャングル・トラックがかかっている。この音楽を手がけたのは寺田創一である。RAで2015年のベスト に選ばれた、Huneeが監修した彼のコンピレーション『Sounds From The Far East』をすでに聞いている人は、こういった彼の澄んだ美しいサウンドにもう慣れ親しんでいることだろう。彼は80年代の後半から活動しているが、Huneeが楽曲をコンパイルする上でフォーカスしたのは、寺田のサウンドトラックやビデオゲームでの仕事や、グループOmodaka名義でリリースした作品ではなく、寺田が90年代の初期に自身のFar East Recordingからリリースしていた、アメリカのディープ・ハウスの第一波に影響された楽曲群であった。父に紹介され、寺田は電子オルガンを勉強していた過去を持ち、そうして磨いたメロディー・センスは彼の音楽の特徴である。"Sun Shower"や”Saturday Love Sunday”といった名曲では、彼のメロディーを作る才能がいっそう際立っている。 現在、寺田創一のアーティスト人生に新しい息が吹き込まれている。『Sounds From The Far East』がリリースされたことで、彼の音楽は改めて海外から高い評価と注目を集めることとなり、彼はここ数ヶ月、あちこちを頻繁にツアーで周り、新曲のリリースも控えている。彼のライブ・ショウも話題だ。もし今年のSónarのRAステージでのライブで、彼が相変わらずの満面の笑みを浮かべていなかったら、何かがあったと心配して良いだろう。 今回彼が手がけてくれたRAポッドキャストは、日本のハウスのみを集めており、『Sounds From The Far East』の番外編のように楽しめる。名曲『Do It Again』がコンピレーションに収録されていた横田信一郎の楽曲に加え、SloperやSEKITOVAといった名前が並ぶ。ディープ・ハウスの定形を完全に踏襲するのではなく、ちょっとした独自の捻りが加えたこれらの楽曲にはどこか、アウトサイダーだからこそ出せる魅力を感じる。 近況報告をお願いします 2月にUSとカナダのツアーがあり、3月にはオーストラリアのツアー、4月にはヨーロッパ・ツアーがありました。あと、WASABEATから新曲Hyamikaoがもうすぐリリースされます。 ミックスの制作環境を教えてください Ableton Liveを使ってノートパソコンで作りました。 このミックスのコンセプトについて教えてください Rush HourのAntalに日本のハウスのミックスを作ったらと提案していただきました。 ここ最近、あなたの音楽が世界中で大注目されるようになっており、この急展開には少々混乱されているのではないかと想像します。海外ツアーなど、ここ最近の再評価の流れをどう受けとめていますか? 若い人々がオーディエンスにいることがとても嬉しいです。混乱しているよりは、嬉しい気持ちのほうが強いです。 過去に制作した楽曲に対する気持ちは、時の流れと共に変わっていきましたか?   いいえ。昔からハードウェアのシンセやサンプラーで楽曲を作ることが大好きなのは変わりません。今はライブでAbleton Liveを使っていますが。 今後の予定は?   今後、何があるか解りません… ポッドキャストをやらせていただき、ありがとうございました!
RA