AbletonがLive 11をアナウンス

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    Wed, Nov 11, 2020, 01:30
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    Resident Advisor
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  • 人気DAWの最新バージョンは、5つの新デバイスやコンピング機能を搭載したほかやMIDIポリフォニック・エクスプレッションに対応。
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  • AbletonがLive 11の情報を公開した。 人気DAWの最新バージョンは、Ableton 10の発表からわずか2年後の登場となり、幾つかの主要な要素をAbletonの人気ワークフローに統合している。Live 11では、うまく演奏できた部分を各テイクから選び、コンピング機能でつなぎ合わせることで、これまでにない音作りが可能となる。この新しいコンピング機能は、より早く正確な連結やサンプリングを実現するほか、複数のミュージシャンを録音した時にも演奏タイミングを保った状態で編集できる。 もう一つの大きな進化は、MPE、つまりMIDIポリフォニック・エクスプレッションへの対応だ。MPE対応コントローラを接続すれば、コードを構成するノートのひとつひとつで、ベンドやスライドと言った奏法や、プレッシャーの加減が可能となる。さらに、ピッチ、スライド、プレッシャーといったパラメータをノートごとに設定するためのノートエクスプレッションビューでは、奏法による音の変化具合を自分のイメージどおりに調整することができる。AbletonのMPEへの対応はBitwigやGrageBandのような競合DAWの後を追う形となったが、Wavetable、Sampler、そしてArpeggiatorといったAbletonの人気デバイスが、全てMPEに対応した。
    今回新たに搭載されたデバイスの1つであるHybrid Reverbは、コンボリューションリヴァーブとアルゴリズミックリヴァーブを組み合わせたものとなり、現実の環境を忠実に再現するものから、物理的には不可能な世界まで、あらゆる空間表現を可能にする。アルゴリズミックリヴァーブの要素で操作して残響にモジュレーションを適用したり、楽器のように演奏してリアルタイムな音作りを行うこともできる。そしてSpectral Resonatorは入力音をパーシャル(倍音を構成する部分おん)に分割して引き延ばし、全く違う響きに変えてしまうデバイスだ。MIDIサイドチェイン入力により、調整の取れた状態で音を処理することや、ポリフォニックシンセのように演奏することができる。 一方のSpectral Timeは、シンプルかつパワフルな周波数ベースのディレイエフェクト。そしてRobert Henkeとの共同制作によるPitchLoop89は、小刻みなグリッチや艶やかなデジタルディレイ、奇妙なビブラートなどの効果を生み出す。さらにDillon Bastanとの共同制作によるInspired By Natureは、自然界の物理現象からアイデアを取り入れた、遊び心あふれるインストゥルメントとエフェクトが6種類収録される。
    ノート発音率やベロシティ変化率といった偶然性を活かす機能では、プロダクションに予想外のバリエーションを加えることができる。テンポ追従では、入力音のテンポをリアルタイムで検出し、Liveのテンポに合わせてバンドが演奏するのではなく、バンドに一員として変化に富む生演奏にLiveが追従する。DJであればテンポに同期するエフェクトとしてLiveを活用することも可能だ。そして、Live 11ではラックの機能が向上しており、従来はラック内のマクロ8個までだったのに対し、1〜16個までマクロの設定状態を保存し、好きな時に呼び出すことが可能となった。 Ableton Live 11の全ての新機能は、同社のウェブサイトでチェック。 Live 11は、2021年上旬に発売予定。 Ableton Live 10のStandardユーザーとSuiteユーザーには、現在ベータバージョンが公開中だ。さらに現在期間限定で、Live 10の3種類が20%オフで販売中。すでにLive 10をお持ちの場合は、Live 11が発売後、無料でアップグレード可能である。 Watch a video about Ableton Live 11.
    Abletonは2021年上旬にLive 11を発売予定。
RA